2012/7/28 岩崎政利さんからの手紙
長崎県雲仙市の岩崎政利さんからのお手紙。毎週金曜日の午前中に岩崎さんからのお野菜がごっそり届きます。その中に、お手紙が入っていて、そのときの岩崎さんの気持ち、畑の様子、などが綴られています。毎回、私たちはそれをとても楽しみにしていて、毎回、とても心を動かされて、誰かに伝えたくなるのです。少し長いお手紙ですが、岩崎さんが、今、野菜とむきあいながら感じているすべてのことを、岩崎さんの言葉で綴ったものです。そのまま、読んでいただきたいと思います。---------------------------------------------土から平和へ私は、30年前に体を壊してから、農薬や化学肥料を使わない農業をやってきました。それからは、それまで見えなかった世界がたくさん見えてきました。そしてその見えてきた自然界からいろいろ学ぶこと出来ました。畑の野菜は農薬を使わない中では、常に害虫が発生してきますが、それまで、害虫とばかり思っていた虫たち少し我慢すれば、ただの昆虫にに変わっていく虫たちがいること。初夏の5月のはじめになれば、キャベツ畑には、モンシロチョウが飛び交うものです。その青虫とはキャベツの外を食べるだけの優しい害虫でした。しかし、その後に発生してくるのがヨトウ虫たち、この害虫の発生がはじまるとキャベツの中まで深く食害が進み春のキャベツは終わりを告げていく、収穫しようと左手でキャベツを握り包丁を切ろうとすると、そのキャベツの中からムカデたちが飛び出してびっくりしてしまう。梅雨の中で雑草たちが生い茂る中で、そんな畑の中に、日頃は用心深いキジたちも、あちこちに卵を何個も産みつけては、暖めてじーっと動かずに守っている。すぐ近くにきても決して逃げようとはしない。なんだかこの卵を一生懸命にあたためているキジから、学ぶことが多いものです。秋を迎えるころには、決まってコオロギたちの仲間が、種まきした秋の野菜たちが土の中から芽を出してきたところを食べつくる。しかし秋が深まってくると食べるのを止めてまたただの昆虫に帰っていく。いたずらぼうずのカラスたち、たまには、人参畑に発生しているネキリムシを食べて協力してくれていると思った瞬間に、カラスは人参を口にくわえている。秋の終わりには、とても雨が多くて、野菜たちも軟弱に育っているせいかヨトウ虫の発生がとても多いものでした。毎年この時期はとても虫たちが発生していきますが今年はとても多いものでした。雨によって自然界の鳥たちや天敵の発生が少なかったのではと思います。このような自然の生き物たちと生きていく。畑の周囲にはときどきには邪魔とも感じる、よもぎ、カラムシ、ギシギシ、チガヤ、などの地下茎の雑草もふくめて多様なる植物が生えている。刈り取ってもすぐに生えてくる。でもその植物たちによって多様な生き物たちもまた守られている。そんな周囲の自然に少し労しながら、畑の中には、昔ながらの在来種の種をまく。だいこんの仲間も源助大根、雲仙赤紫蘇大根、五木の赤大根、横川つばめ大根、紅芯大根、自家育成青首大根、聖護院大根、と多様なる大根とは、それそれに食としての役目が違う。また各地に生きてきた地大根とは、遺伝的な多様性と守り続けている。つづく。
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